マイクロラーニングを成功させるための5つのルール

本日も10月1日のブログに引き続き、GrovoのAlex Khurgin氏によるATDブログへのマイクロラーニング関連の記事を紹介させていただきます。

何かのために学習が必要になる場合、そのタイミングに合わせてマイクロラーニングを提供すると大変効果的です。

そして、このとき「少しずつ学習」し、「時間をおいて繰り返す」余裕を持つと、さらに効果が高まります。。

通常の学習と同様、物語を使ったり、振り返りの質問をする方法も効果的です。

学習やそれを必要とするイベントが終わった後にもマイクロラーニングを行なえば、学んだ内容の強化やその適用がさらに促進されます。

今回はそんな、マイクロラーニングを成功させるためのルールについてのご紹介です。


マイクロラーニングを成功させるための5つのルール

Wednesday, September 13, 2017 - by Alex Khurgin

https://www.td.org/Publications/Blogs/Learning-Technologies-Blog/2017/09/5-Rules-for-Successful-Microlearning

今後数十年のうちに、Clippyがよみがえり、拡張現実のデスクトップにバーチャルアシスタントとして投影されるようになることは、ほぼ間違いありません。 このような近未来には、ClippyがSiriやAlexa、Cortanaと競い合い、職場の難しい課題に取り組むときのコーチングを提供してくれるようになることでしょう。 その一方、新たなスキルを苦労して学ぶことは、依然として、職務を適切に行うための欠かせない部分であり続けます。


XeroxのチーフサイエンティストだったJohn Seely Brownは、職務スキルの価値は5年で半減すると言っています。 

専門家の中には、この年数が次第に減っているという人もいます。 自分の競合優位性を保つことが重要であるかどうかにかかわらず、チームメイトや従業員のスキルの価値は短くなり、それを追跡・管理することが次第に難しくなっています。

AIによって仕事が不安定になるという未来に直面した今、ナレッジワークからラーニングワークへと大きく移行するには何が必要とされるでしょう。 これは、仕事の状況が流動的になった場合、従業員がすでに知っていることよりも、従業員がどのくらい素早く学ぶことができるかということの方が重要であることを意味します。

 大規模な変革時に必要とされる素早く学ぶ文化を構築するため、企業では、従業員がキャリアを通じて日々学ぶことを可能にする、短く的を絞ったマイクロラーニングが試行されるようになっています。


Grovoでの過去7年間、著者は、企業でマイクロラーニングを効果的に使う方法を研究してきました。 短い学習体験は他の方法に比べ、安価で時間がかからず、関与意識を高めることができます。

しかしマイクロラーニングの真の成功は、それを計画、デザイン、構成、提供する方法にほぼ完全に依存します。

マイクロラーニングを使って適応力を高め、パフォーマンスを向上させるための5つの方法を以下に示します。

#1. 必要とされるタイミングでマイクロラーニングを提供する

必要とされるタイミングとは、自分の目的を達成するための支援や指導、トレーニングが必要となり、モチベーションが高まっている期間のことです。

 職場の学習のほとんどは、促進するのが難しく、従業員の関与意識をすぐに高めることができません。だから、従業員が学習体験を与えられる頃には、すでに他のことにモチベーションが移ってしまっています。 だから関与意識が低く、適用されず、インパクトが低いのです。 しかし、必要に迫られてモチベーションが高まっているタイミングでマイクロラーニングを行なえば、もっと高い効果を得ることができます。

製品の発売、プレゼン、新しいプロジェクト、昇進など、ビッグイベントが近づけば、従業員はマイクロラーニングを使って準備します。 その直後の、まだモチベーションが高まっている状態のときにも、従業員はマイクロラーニングを使ってパフォーマンスを高めようとします。 このようなイベント中には、従業員は忙しすぎて学ぶことができませんが、マイクロラーニング教材を参考資料として活用することができます。

では、このようなタイミングを特定し、適時にマイクロラーニングを提供するにはどうしたらいいでしょう?

· HRISに関連するタイミング:誰かが入社したり、マネージャーに昇進したときがこれに相当します。 変化が起こった直後にマイクロラーニングを提供し、モチベーションのピークを活用します。

· イベントのタイミング:年次のパフォーマンスレビューや四半期ごとのプランニングがこれに相当します。 このようなイベントに先立って、マイクロラーニングを提供します。
· 繰り返し生じるイベント: 採用候補者の面接や、プロジェクトのキックオフなど、企業で不定期的かつ頻繁に行われることがこれに相当します。 このようなイベントがいつ発生するかを追跡し続けることは難しいので、従業員が必要になったときに参照できるよう、関連するマイクロラーニングがあることを知らせておきます。
· 変化のタイミング: 製品の発売やグローバル展開などがこれに相当します。 これは、チームが共に学ぶよい機会となります。

差し迫った必要がない場合には、その感覚を生み出すことができます。 これには、新たなプロジェクトをアサインする、新たな責任を与える、会社の新たな取り組みを発表するなどして、学習に適した適切な感情的コンテキストやモチベーションを作り出します。


#2. マイクロ行動に適したデザインにする

職場の学習の主な目的は、従業員が何を知っているかだけでなく、従業員が行うこと(その行動)が変わることにあります。 しかし職場の行動(フィードバックを与える、デザイン思考を使う、倫理的意思決定を行うなど)の実際は、非常に複雑です。 マイクロラーニングは、的を絞ったセッションを通じて従業員が手順を次第に流ちょうに行えるようにすることによって、新たな行動をとりやすくします。

目標とする行動が特定できたら、それを構成要素やマイクロ行動に分解します。 たとえば、デザイン思考の場合、以下のようにブレイクダウンすることができます。

· 問題を特定する
· 多数のソリューションを考え出す
· ラピッドプロトタイピングによってリスクを緩和する
· 得られた知見を実装する

特定したそれぞれのマイクロ行動について、短い的を絞った学習体験を作成し、実施します。 従業員は、まずそれぞれのマイクロ行動を集中的に練習し、その後にそれらを組み合わせて練習します。 たとえば、あるチームが、2週間後に新たなプロジェクトをキックオフする場合、 以下のようにマイクロラーニングプログラムを構成します。

必要とされるタイミングである第3週になるまでに、チームメンバーは、デザイン思考について2週間の分散学習を少しずつ行うことができます。 プロジェクトが開始したら、同じ教材がパフォーマンスサポートとして役立ちます。 プロジェクトが終わったら、その教材を使って、プロジェクトについて振り返ることができます。


#3. 感情を引き付けるもの(フック)を使ってマイクロラーニング体験をはじめる

マイクロラーニングの明確な利点の1つは、枝葉末節は省略し、実際の練習に必要とされるステップに直ちに取りかかれるところです。 単に情報を示すことからはじめる場合、「クリックして進む」学習体験を作ろうと思うかもしれませんが、この方法では、一方の目から入ったものが、もう一方から出てしまいます。

最も持続性のある記憶は、精緻化エンコーディングによって形成されます。これは、自分が学んでいることを積極的に振り返り、自分がすでに知っていることに関連付けることを意味します。 経験則としては、考えるのが大変であるほど、多くを学ぶことができます。

深く考えさせるためのよい方法は、それぞれのマイクロラーニング体験の最初に感情的フックや「aha!」モーメントを作ることです。 そのための方法を以下にいくつか示します。

ストーリーを語る。 

ストーリーは、それに注意を払ったり、理解や記憶がしやすいという心理学的な有効性があるだけでなく、深い洞察を呼び起こすための優れた方法でもあります。 以下はGrovoが作ったストーリーの例です。これは、ソリューションを実施した後に、それを機能させる方法についてのレッスンです。

振り返りの質問をする。

視聴者が深く考え、個人レベルで教材に取り組むことを促します。 これには、「仕事で自分の強みをどのくらい頻繁に活用していますか?」、「自分にとっての目的は?」といった質問をします。 場合によっては、答えを示すと役立ちます。

事実や統計を使って驚かせる。

限られた事実を示すだけで、納得させたり、深く考えさせることができる場合もあります。

熱心なエキスパートやロールモデルを登場させる。

 「Aha!」モーメントや感情的つながりは、情報自体からではなく、それを示す方法によって引き起こされます。 エキスパートの考えを情熱的に語ってもらえば、見る人にも同じ情熱や考えが引き起こされます。

#4. 具体的な行動を求めることでマイクロラーニング体験を終了する

素晴らしい学習体験には、感情的フック、例やモデル、リアルな練習、フィードバックが含まれているものです。 その学習体験がどれほどよいものであっても、目に見える進歩が感じられなければ、従業員は学習を続けようとしません。

マイクロラーニングは、学習者に進歩を感じさせるための特に便利な方法です。

 第一に、マイクロラーニングを使えば、時間をおいて短いレッスンを行なうことにより、脳や体に 組み込む必要のあるスキル(行動)を自然な形で向上させることができます。

第二に、マイクロラーニング体験の最後に実際の行動を求めることによって、進歩を加速させ、進歩を実感させることができます。 

たとえば以下に示すのは、一貫性のあるフィードバックを与えるためのマネジメントレッスンの最後に使われているスライドです。 

このスライドがうまく機能するのは、以下の3つの理由によります。

1. シンプルであること。 数分ですぐにできるような行動になっています。
2. 具体的であること。 それを行ったかどうかが簡単に分かるような行動になっています。
3. 小さな成功であること。 それを行うことによって、学習者がよい気分になれるような行動になっています。 その行動に対する反応があればフィードバックを得られたことになり、さらに大きな成功となります。

行動を求めることにより、学習者は、学んだことを学習環境の外で直ちに適用する習慣をつけることができます。 マイクロラーニングを使えば、実世界で適用したり、達成感を得ることが日々可能になります。 その結果、学習を継続しようという従業員のモチベーションが高まり、より難しい行動にも進んで取り組むようになります。


#5. ライブイベントの前後にマイクロラーニングを使う

対面式のトレーニングは、職場で重要な役割を果し続けています。これにはもっともな理由があります。 つまり、ソーシャルであり、実地演習であり、高度にエンゲージング(適切なファシリテーターがいる場合)であるからです。 費用は高くつきますが、漠然とした効果があります。

ライブイベントの前後にマイクロラーニングを使えば、そのイベントの時間をより有効に使うことができます。 この場合、以下のように構成します。

· ライブイベントの前: マイクロラーニングを使って基本を教え、メンタルモデルを構築し、ライブイベントに必要とされる基本事項を理解させます。
· ライブイベント中: マイクロラーニングで学んだスキルについて話し合ったり、ワークショップを行うことにフォーカスします。 フィードバックを与え、誤解があれば修正します。
· ライブイベント後:マイクロラーニングを使って、学んだことをさらに強化します。

ライブイベントで行うインストラクションを少なくすることにより、すべての基本事項を教室で一度につめこまなくても済むようになります。 また、時間をおいたマイクロラーニングを使ってフォローアップすれば、数日~数週間でほとんどのことを忘れてしまいライブイベントが無駄になってしまう事態を防ぐことができます。


まとめ
上記の5つの方法を使ってマイクロラーニングを計画、デザイン、提供すれば、従業員に学習習慣をつけさせることができ、常に能力を高めることができます。 デジタルテクノロジーによって世界が変化を続ける今、企業の成功は、この継続的な学習習慣の有無にかかっています。


UMUは2014年から「マイクロラーニングプラットフォーム」を使った学習のあり方を提唱し続けています。
ラーニングテクノロジー+モバイルを使った学習は現代の働き方・学び方ににマッチしており、この先更に必要性が高まることは間違いありません。
どうせ必要になるのであれば少しでも早く。
新しい学びのあり方。文化に触れてみて下さい。


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